いよいよ公開されたクリストファー・ノーラン監督の最新作TENET。
【時間の逆行】がテーマの今作のストーリーは、なかなか難解で一度見ただけでは全てを理解するのは、ほぼ不可能。
そこでこの記事ではティネットを読み解く上で知っておかなければならない3つの設定を解説していきます。
この記事の内容
- TENETのストーリー解説
- 2回目観るときに知っておくべき3つの設定
ここからはネタバレの内容も含まれます。
一度目は何の先入観もなく観るのがこの作品を一番楽しむ方法です。
まだ観ていない人は、映画を観てからまた訪れてくださいね。
クリストファー・ノーラン監督の他の作品はこちらの記事でまとめています。
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【時間の魔術師】クリストファー・ノーラン監督作品 絶対観るべき4選【ネタバレなし】
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特にややこしいカーチェイスシーンの解説はこちら。
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【TENET】実はややこしくない!カーチェイスシーンを解説
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それではテネット を読み解く3つのポイントを見ていきましょう。
TENETのストーリー
あらすじ
満席のオペラハウスが突如テロリストに占領された
突入部隊に紛れ込んだCIAの主人公は、オペラハウスにいた仲間の救出を試みる
テロリストの爆弾を除去しようとしたとき、正体がばれ銃口を突きつけられた
しかしその瞬間見知らぬ男の助けにより、壁についた弾痕から銃弾が逆行して飛び出し命拾いする
仲間を救出して脱出し車に乗り込んだところ、ロシア人に捕まり拷問されることに・・
情報をバラすことよりも死を選ぶ主人公
安楽死用のカプセルを飲み込んで意識を失う
死んだかと思われたが、目覚めたのはある船の上
そこであるキーワードを聞く
キーワードは「TENET」
TENETという組織が極秘作戦に当たっていると
それは時間を逆行する不思議な物質を調べること
組織のラボで弾倉に銃弾が戻ってくる不思議な銃を目にする
そうオペラハウスで見たあの現象と同じ【時間を逆行】する銃だ
時間を逆行するこの武器が第三次世界大戦を引き起こす危険があると知り、時間逆行の謎を探ることになるのだが・・
TENETにおける時間の概念
「時間の逆行」がテーマにおかれたTENET。
この世界で、ターンスタイルと呼ばれる機械を通るとその人の時間の向きが逆行します。
つまり時間の向きが過去へと進んでいきます。
ただ、時間をワープすることはできず10年前の過去へ行きたければ逆行状態で10年間過ごさなければなりません。
物理の世界では時間が戻ることはあり得ない とされています。
物理に反する設定を用いても、都合のいい設定にはせず時間なんだからリアルタイムで進むという制約を入れているあたりがいかにもノーランらしい概念ですね。
ではここから2回目観るときに知っておいたほうがいい3つの設定を解説していきます。
設定① 同じ時間軸に同じ人物が何人も存在する
ターンスタイルを使うことで時間の向きを変えられます。
ということは、タイムライン上で言えばその場でUターンすることになります。
ターンスタイルに入って出てきた瞬間、向かいの部屋には今までの自分が逆再生で進んでいく様を目撃できます。
この時点で自分は2人存在することになります。
(自分自身に接触しないためという効果もあるみたいです。接触すると世界が壊れるとか何とか・・・)
この逆行して順行して、逆行して順行してを繰り返せば理論上はある時間軸に何人もの自分を存在させることが可能なのです。
TENETの物語上で最も多く同じ人物が同じ時間軸に登場したのは、空港で主人公が逆行してきた自分と戦うシーンです。
このときターンスタイルから順行に戻った主人公(ニールに追っかけられたの)もいたので、主人公は3人いたことになります。
そしてこのターンスタイル、入った瞬間に時間を逆行するのでその先の未来からはその人物がいなくなります。
フリーポートでキャットがセイターの逆行弾によって撃ち抜かれたとき、寸前のところでTENETの応援軍が到着しました。
このときセイターは、ターンスタイルに入っていなくなってしまいたが、これは時間を逆行して行ったので順行している主人公たちの時間軸からはいなくなってしまったということです。
設定② 逆行弾が致命傷になる理由
フリーポートでキャットがセイターに逆行弾で撃たれました。
「このままでは助からない。時間を逆行しないと」
という流れになります。
逆行弾が致命傷になる理由は、通常弾丸は
弾倉 → 発砲 → 被弾 → 回復
となりますが、逆行弾だと
被弾 → 発砲 → 弾倉
と順行の人間には回復の工程が未来に進む限り訪れないからかなと考察しました。
なので、主人公たちはキャットと共にターンスタイルに入り時間を逆行し、回復を待ってオスロの空港でまた時間を順行に戻したんだと思います。
ちなみにフリーポートのターンスタイルの場所でずっと待機せず、オスロの空港に行ったのにも理由があります。
フリーポートは、あのTENETのメンバーが乗り込んでくる以前はセイターのアジトでした。
なので、あそこから過去に進んでいくとセイターの手下がウヨウヨいる場所になるので、オスロの空港に行くしか手がなかったのです。
設定③ ニールの正体
物語の上で重要な役割を担うニール。
主人公の相棒として彼を支え、ラストシーンでは彼を守るために銃弾に撃たれるとわかっていながら時間を逆行しに行きます。
ではなぜ彼は主人公を助けたのでしょうか?
実はニールの正体は、キャットの息子マックスだったのです。
主人公はラストシーンの後、おそらくキャットとマックスとともに生活しTENETを立ち上げます。
そこで、マックスが青年になった頃、過去の自分をサポートするため過去に送り出したのです。
青年になったニールが、この映画での出来事があった時間軸まで逆行で戻る。
それこそ10年以上の歳月を逆行してきたと考えられます。
さらにマックの本名は、MAXIMILIEN。
最後の4文字を反対から読むとNEIL(ニール)となります。
ニールがマックスだと考えると、逆行弾に倒れたキャットを献身的に看病していたのも納得がいきますし。
キャットがニールにお別れを言えなかったことを気にしていたのにも納得がいきます。
途方も無い時間を戻り、主人公をサポートするニールの旅の終着点があのラストシーンなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この設定だけを知ってから2回目鑑賞するとよりTENETの理解度が進むと思います。
今回書いた設定の他にも、まだまだ小ネタや伏線がTENETには隠されています。
2回目に新たな気づきを探しながら、時間逆行の世界を堪能してください。
そして、ノーラン監督の監督術をあますことなく知ることができる本が発売されます。
それが「クリストファー・ノーラン監督術」です。
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クリストファー・ノーラン監督の他の作品も【時間を操る】ギミックがたくさん出てきます。
それはこちらの記事でまとめています。
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